「楽しむのではなくて、面白がるの」— 樹木希林に学ぶ、日常の幸福度を高める生き方

俳優・女優

あなたは今日、幸せだっただろうか。

朝起きて、仕事に行って、帰ってきて、ご飯を食べて、寝る。同じ毎日の繰り返し。特に何か悪いことがあったわけではない。でも、特に幸せとも感じない。

「もっと収入が増えたら」 「もっといい仕事に就けたら」 「もっと理想的なパートナーに出会えたら」

そうしたら、幸せになれるのに。

でも、樹木希林(1943-2018)は、こう言った。

「幸せというのは『常にあるもの』ではなくて『自分で見つけるもの』。」

幸せは、どこかから降ってくるものではない。今ここにある日常の中に、自分で見つけるものだ。

樹木希林。75年の生涯で、数々の映画やドラマに出演し、日本を代表する大女優となった。しかし、彼女の人生は決して順風満帆ではなかった。夫・内田裕也との別居生活、全身がん、そして死。

それでも彼女は、最期までこう言い切った。

「今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。」

なぜ彼女は、そう言えたのか。

今回は、樹木希林が遺した言葉から、日常の幸福度を高める生き方を学んでいこう。


「楽しむ」と「面白がる」は、まったく違う

「面白いわよねぇ、世の中って。『老後がどう』『死はどう』って、頭の中でこねくりまわす世界よりもはるかに大きくて。予想外の連続よね。楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中。」

この言葉を初めて聞いた時、私は衝撃を受けた。

「楽しむ」と「面白がる」は、まったく違う。

楽しむは、客観的。面白がるは、主体的。

楽しいことを探すのではなく、目の前のことを面白がる。この視点の転換が、日常の幸福度を劇的に変える。

楽しむ vs 面白がる

要素楽しむ面白がる
姿勢受け身、客観的主体的、当事者
対象楽しいことを探す目の前のことを面白くする
条件外部環境に依存自分の視点次第
結果楽しいことがないと不幸どんな状況でも幸せ

樹木希林さんとしてもつらいことや苦しいこともたくさんあったのでしょうけれど、これを最終的に「面白がることが出来た」というように仰っているのは、ものすごい自分軸なわけです。

夫・内田裕也は自由奔放で、別居生活は40年以上。がんになり、全身転移。普通なら、不幸だと嘆く状況だ。

しかし、樹木希林は言った。

「あの夫(内田裕也さん)でなければこの人生、面白がれなかった。」

不幸を嘆くのではなく、面白がる。この姿勢が、彼女の人生を輝かせた。


「今日用」に向き合うことが、毎日の幸せ

「今日、用事があることを『今日用(きょうよう)』と言っているんだけど、神さまがお与えくださった『今日用』に向き合うことが毎日の幸せなのよね。『今日用』をこなす事が、人生を使い切ったという安堵につながるんじゃない」

この言葉を読んだ時、私は自分の毎日を見つめ直した。

私たちは、つい「特別な何か」を求めてしまう。旅行、イベント、大きな成功。それがないと、幸せじゃないと思ってしまう。

しかし、樹木希林が教えてくれるのは、今日、目の前にある「今日用」こそが幸せだということだ。

洗濯をする。料理を作る。誰かと話す。仕事をする。

その一つ一つに丁寧に向き合うこと。それが、「人生を使い切った」という安堵につながる。

「今日用」チェックリスト

あなたの今日の「今日用」は何だっただろうか。

  • 朝、家族に「おはよう」と言った
  • 通勤電車で本を読んだ
  • 仕事で誰かの役に立った
  • 昼ごはんを美味しく食べた
  • 友人にメッセージを送った
  • 夜、ゆっくりお風呂に入った

これら一つ一つが、あなたの「今日用」だ。そして、それを丁寧にこなすことが、幸せなのだ。


「不幸」を「必然」として受け入れる

「どれだけ人間が生まれて、合わない環境であっても、そこで出会うものがすべて必然なんだと思って、受け取り方を変えていく。そうすると成熟していくような気がするのよね。」

樹木希林は、全身がんになった時、こう言った。

「人生が全て必然のように、私のガンも全く必然だと思います。」

がんを「不幸」「悪」として捉えるのではなく、「必然」として受け入れる。

「病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ」

「自分にとって不都合なもの、邪魔になるものを全て悪としてしまうと、病気を悪と決めつけるのと同じでそこに何も生まれてこなくなる」

この視点の転換が、人生を豊かにする。

不幸を必然に変える思考法

不幸だと思ったことを、「必然」として受け入れ、「ここから何を学べるか」と考える。

例:仕事で失敗した

  • 不幸思考:「自分はダメだ。もう終わりだ」
  • 必然思考:「この失敗から何を学べるか。次はどうすればいいか」

例:病気になった

  • 不幸思考:「なぜ自分が。不公平だ」
  • 必然思考:「この病気が教えてくれることは何か。生き方を見直すチャンスかもしれない」

人生でしんどいことは、そこから学ぶべきことがあるから目の前に訪れると思っています。ここから学びを得ずにいると、ご多分に漏れず、もう1回不都合なことや邪魔なこと、苦しいことやつらいことが起きてくるということになるんです。


モノを減らすと、頭がスッキリする

「モノがあるとモノにおいかけられます。」

「持たなければどれだけ頭がスッキリするか」

樹木希林は、モノをほとんど持たない生活をしていた。

「病気をしてから、いつ逝ってもいいように、自分の周りを身軽にしておきたいという思いが強くなったのはあるわね。朝はひとしきり掃除することから始まる。ぐちゃぐちゃしているのを見るのが好きでないの。でも、ものがなければ簡単よ。」

私たちは、つい「もっとモノがあれば幸せになれる」と思ってしまう。新しい服、新しいガジェット、新しい家具。

しかし、樹木希林が教えてくれるのは、モノを減らすことこそが、幸せへの近道だということだ。

モノがあると、管理に時間がかかる。どこに置くか、どう使うか、いつ捨てるか。そのすべてが、脳のエネルギーを奪う。

逆に、モノが少なければ、頭がスッキリする。掃除も簡単。引っ越しも楽。何より、本当に大切なものに集中できる。

ミニマリスト樹木希林の3原則

  1. 最後まで使い切る 「靴下でもシャツでも最後は掃除道具として、最後まで使い切る。人間も、十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるということだと思う。」
  2. 自分が気に入っているもの以外は持たない 共演した樹木希林さんが「なんでそんなにかっこいいんですか」と聞いたら、「自分が気に入っているもの以外置いていないからね」と答えがかえってきた
  3. 身軽でいること 死を意識してから、身の回りを身軽にすることを徹底した。

「ありがたい」とは、「難が有る」こと

「私は『なんで夫と別れないの』とよく聞かれますが、私にとってはありがたい存在です。ありがたいというのは漢字で書くと『有難い』、難が有る、と書きます。人がなぜ生まれたかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか」

この言葉を読んだ時、私は涙が出そうになった。

夫・内田裕也は、世間から見れば「難のある夫」だった。別居40年以上、奇行、トラブル。普通なら離婚していてもおかしくない。

しかし、樹木希林にとって、それは「ありがたい」ことだった。

なぜなら、難があるからこそ、人は成熟するからだ。

「でも人間ってだらしないから、あんまりいい奥さん、あんまりいい旦那さん、いい子供で楽だと、成熟する暇がないっていうか」

すべてが順調で、何の問題もない人生。それは一見幸せに見えるが、実は「成熟する機会」がない人生なのだ。

あなたの人生の「難」は何だろうか

  • 理不尽な上司
  • わがままな子ども
  • 思い通りにならない仕事
  • 病気や怪我

それらを「不幸」として嘆くのではなく、「ありがたい」成熟の機会として捉える。

その視点の転換が、あなたの人生を豊かにする。


「面白くなくても、笑っていると嬉しくなる」

「嫌な話になったとしても、顔だけは笑うようにしているのよ。井戸のポンプでも、動かしていれば、そのうち水が出てくるでしょう。同じように、面白くなくても、にっこり笑っていると、だんだん嬉しい感情が湧いてくる。」

この言葉には、科学的な裏付けもある。笑うことは脳を活性化させて免疫力を高め、ストレスを解消させる。

しかし、樹木希林が教えてくれるのは、それ以上のことだ。

嬉しいから笑うのではない。笑うから嬉しくなる。

順序が逆なのだ。

明日、嫌なことがあったら、試してみてほしい。顔だけでも、笑ってみる。最初は作り笑いでいい。井戸のポンプのように、動かし続けていれば、そのうち本物の嬉しい感情が湧いてくる。


「上出来でございました」と言える人生

「いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。」

2018年9月15日、樹木希林は75歳でこの世を去った。

彼女の人生は、決して完璧ではなかった。夫との別居、がん、様々な困難。しかし、彼女はそのすべてを「面白がり」「必然として受け入れ」「ありがたいと感謝した」。

だからこそ、最期に「上出来でございました」と言えたのだ。


あなたも、今日から「面白がる」を始めよう

樹木希林が教えてくれた、日常の幸福度を高める5つの生き方。

1. 楽しむのではなく、面白がる

受け身ではなく、主体的に。目の前のことを面白がる視点を持つ。

2. 「今日用」に丁寧に向き合う

特別なことを求めず、今日の用事を丁寧にこなす。それが幸せ。

3. 不幸を「必然」として受け入れる

不幸を嘆くのではなく、そこから学ぶ。すべては成熟のため。

4. モノを減らして、頭をスッキリさせる

モノに追いかけられる人生ではなく、本当に大切なものに集中する。

5. 笑顔を作れば、嬉しくなる

嬉しいから笑うのではない。笑うから嬉しくなる。


今日から、あなたも「面白がる」人生を

樹木希林の言葉は、難しいことを言っているわけではない。

ただ、視点を変えるだけだ。

同じ出来事でも、「不幸だ」と嘆くか、「面白い」と思うか。それだけで、人生の幸福度は劇的に変わる。

あなたも今日から、目の前のことを「面白がって」みてほしい。

朝の通勤電車も、面白がる。 職場の面倒な仕事も、面白がる。 家族とのすれ違いも、面白がる。

最初はぎこちないかもしれない。でも、続けていけば、井戸のポンプのように、そのうち本物の幸福感が湧いてくる。

樹木希林が75年の人生で証明したように、幸せは、常にあるものではなく、自分で見つけるものなのだから。

さあ、今日から、面白がろう。

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